*ファイルメーカーPro作成による浮世絵作品データベース化のフィールド定義の項目設定と入力、および表記内容の問題について
現在作成し使用中の浮世絵研究データベースのフィールド項目は以下の65項目数です。
1.フィールドの項目リスト[( )内はタイプ、オプションを示します]
1) No.(数字)
2)ID番号(数字)
3)聚花番号(テキスト)
4)目録番号1(数字)
5)目録番号2(数字)
6)萩美番号(テキスト)
7)絵師名(テキスト)
8) 絵師名振り仮名(テキスト)
9) 作者名(テキスト)
10) 作者名振り仮名(テキスト)
11) 作品名(テキスト)
12) 作品名振り仮名(テキスト)
13) 時代区分(テキスト、時代区分値一覧あり)
14)分野(テキスト、分野値一覧あり)
15) 作品分類(テキスト、作品分類値一覧あり)
16)種類(テキスト、種類値一覧あり)
17)開化絵分類(テキスト、分類値一覧あり)
18) 流系(テキスト)
19) 図版1(オブジェクト)
20) 判型(テキスト)
21) 形態(テキスト)
22) 寸法(テキスト)
23) 落款(テキスト)
24) 印章(テキスト)
25) 書体番号(数字)
26)印章番号(数字)
27) 画像番号(テキスト)
28) 版元名(テキスト)
29) 制作年(テキスト)
30)改印(テキスト)
31) 西暦1(数字)
32) 西暦2(数字)
33) 月日(テキスト)
34)制作年・版元等のデータ(テキスト)
35) 画讃・文面(テキスト)
36) 所蔵者(テキスト)
37) 図版参照文献(テキスト)
38) 図版掲載文献(テキスト)
39) 備考(テキスト)
40) 作品解説(テキスト)
41) 分類番号(テキスト 分類番号値一覧あり)
42) 分類内容(テキスト)
43) 人数(テキスト)
44) 像形式(テキスト、像形式値一覧あり)
45) 背景(テキスト、背景値一覧あり)
46) テーマ(題材)(テキスト)
47) モチーフ(内容)(テキスト)
48) 自然(テキスト)
49) 設定場所(テキスト、設定場所値一覧あり)
50) 季節(テキスト、季節値一覧あり)
51) 季物(テキスト)
52)地名(テキスト)
53)図版2(オブジェクト)
54) artist(テキスト)
55) title(テキスト)
56) technical(テキスト)
57) type(テキスト)
58) signature(テキスト)
59) artist seal(テキスト)
60) publisher(テキスト)
61) date(テキスト)
62) censer's seal(テキスト)
63)元号(英文)
64)所蔵者(英文)
65)図版掲載文献(英文)
2.各フィールドの入力表記の方法と問題点
1) No.(数字)
展覧会用に、キャプションや図録に用いる作品番号を入力する項目。
また、データベースの絵師別に総レコード数を入力する項目。
2)ID番号(数字)
浮世絵師固有のID番号を入力する項目。
3)聚花番号(テキスト)
小学館発行の『浮世絵聚花』巻末に掲載されている浮世絵師の作品目録番号を入力する項目。
絵師名に番号は半角数字で入力。ただし、フィールド定義はテキストのため、半角数字をソート
するためには、番号の桁数に合わせて「0」の数字を加える必要があります。
例)歌麿の場合、番号が3桁に及ぶので、2桁以下の番号は0を加えます。
歌麿-031、または、歌麿031
4) 目録番号1(テキスト)
浮世絵聚花目録以外に作品目録が作成されている絵師の作品目録を略記号化して入力する項目。
5)目録番号2(テキスト)
データベースより作品目録作成用に絵師別に検索したとき、ソートするための作品番号を入力する項目。
また、浮世絵聚花以外に作品目録が作成されている場合にも入力する項目。目録番号1では不足のとき
の追加項目。
6)萩美番号(テキスト)
山口県立萩美術館・浦上記念館が所蔵する作品の場合、収蔵品番号を入力。また、作品の画像の有無に
ついて、入力します。画像がある場合は、M、ない場合はKを入力して(MとKの意味はありません)、検索します。
7)絵師名(テキスト)
統一された絵師名の画姓・画号の順による漢字入力。
絵師名については『原色浮世絵大百科事典 第2巻 浮世絵師』を基本としています。
例)鳥居清長
*問題点、絵師名の統一の必要あり。
例えば、芳年を「大蘇芳年」で統一するのか、「月岡芳年」で統一するのか。また2代、3代が存在する
場合の表記も、「二代喜多川歌麿」とするか、「喜多川歌麿(2代)」とするかなど、表記の統一をする
必要があります。
8) 絵師名振り仮名(テキスト)
7)絵師名の項目で入力した画号・画姓の順にひらがな入力。画号と画姓の間に1文字分を空けます。
例)きよなが とりい
また、2代、3代が存在する場合、その表記について統一する必要がああります。
例)うたまろ2 きたがわ、or うたまろⅡ きたがわ
*この場合、絵師名振り仮名で検索した場合、ソート(配列)が可能な表記にする必要があります。
9) 作者名(テキスト)
版本のデータを入力した場合の、作者、撰者などの人物名データを入力する項目として設けたもの。
通常使われている作者などの人物名を漢字で入力。
例)曲亭馬琴
10) 作者名振り仮名(テキスト)
7) 絵師名、11) 作品名と同様に作者名から検索、ソートを行う場合のための項目。
9)作者名で入力した人物名を順を逆にしてひらがなで入力。号と、亭号などの間を1文字分空けます。
例)ばきん きょくてい
11) 作品名(テキスト)
画面上に刻記された題名があれば、記された順に入力。揃物である場合は、揃物名、副題の順に記し、
その間を1文字分空けて記します。また、画中に題名がない場合は通常用いられている題名を( )でくくり
表記入力します。また、揃物と想定されるが、作品中に揃物名がない場合、検索・ソートの必要から、
( )でくくり、仮の揃物名を題名の前に入力する必要があります。
例)[ 題名あり] 青楼美人六花仙 静玉屋志津加
[ 題名なし] (見立七小町 関寺)
*この場合、原題は「青樓美人六花仙 静玉屋志津加」とあり、原題通り表記する必要があるのか、
または現代表記の漢字に直して表記した方がよいのか統一する必要があります。俗字表記の問題も同様に
検討する必要があります。
ただし、展示の際、キャプションなど題名に、旧漢字による表記はたとえ振り仮名をつけたとしても、
不適切な処置といえます。無題の場合も題名の付け方で異なる作品と判断される場合もあるので、
題名の付け方の方法も検討する必要があります。
12) 作品名振り仮名(テキスト)
作品名よりの検索を可能にしたり、あいうえお順にソートしたり、キャプション製作用の振り仮名原稿
として用いる必要から設定。11)の作品名の振り仮名をひらがなで入力、かつ、揃物名、副題などの
間を1文字分空けます。
13) 時代区分(テキスト、時代区分値一覧あり)
時代的な変化を捉えるために設定。
入力に便利なように、ポップアップリストで時代区分値一覧を作成、ポップアップメニューにします。
ソート可能の半角数字を前に入れます。
[ 時代区分値一覧表 ]
1初期風俗~寛文:初期風俗画から寛文期までの、師宣以前の作品。
2初期浮世絵 :師宣から宝暦期までの作品。
3明和~安永 :明和2年の錦絵創始から安永期まで
4天明~寛政 :黄金時代といわれる天明・寛政に享和期も含みます。
5後期浮世絵 :文化から安政期まで。
6幕末~明治 :万延から明治(大正も含む)
*この時代区分設定は絵師の活躍期との関連もあり、今後の検討の必要あります。
14)分野(テキスト、分野値一覧あり)
各作品の美人画、歌舞伎絵、風景画などにジャンル別し、検索・ソートするための項目。
[ 分野値一覧 ]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けます。
美人画
歌舞伎絵
風景画
開化絵
横浜絵
風俗画
武者絵
風刺画
相撲絵
子供絵
歴史画
稗史絵
物語絵
戦争絵
人物画
戯画
花鳥画
玩具絵
草双紙
小説本
絵本
狂歌本
その他
*将来的に各ジャンル別にソートできるよう、各項目前に半角数字の入力が必要かもしれません。
15) 作品分類(テキスト、作品分類値一覧あり)
版画、肉筆画、版本と作品形態の大分類項目。
入力に便利なように、ポップアップリストで作品分類値一覧を作成、ポップアップメニューにします。
また、ソートを可能にするために半角数字を入力。
[ 作品分類値一覧表 ]
1版本
2版画
3肉筆画
4版下絵
その他
16)種類(テキスト、種類値一覧あり)
作品分類のうち、「2版画」に分類される作品を、一枚絵、揃物、続物、組物とその種類を検索・
ソートするために設けた項目。
[ 種類値一覧 ]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けます。
1一枚絵
2揃物
3続物
4組物(一枚絵でもまた、続物としても構成されている作品群)
5絵暦
6摺物
7黄表紙
8合巻
その他
17)開化絵分類(テキスト、分類値一覧あり)
明治絵の各ジャンルの分類、検索、ソートするための項目。
[ 分類値一覧 ]
01建造物
02交通
03博覧会・興行
04風俗・世相
05政治・事件
06皇族・官女
07産業
08教育
09祭礼
10風景
11その他
18) 流系(テキスト)
絵師を流派別、または系列別に検索、ソートするための項目。
現在は、この項目は自由入力であるが、流派・系列を時代順ソートする必要がある場合は、
半角数字を頭に、流派・系列別の値一覧を設ける必要があるかもしれません。ただし、その
場合は流派名、系列名の統一が必要であるし、一覧数が非常に多くなる場合があります。
例)[ 流派・系列別値一覧 ]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設ける。
01菱川派
02鳥居派
03奥村派
04懐月堂派
05宮川派
06西川派
07春信系
08月岡派
09勝川派
10北尾派
11喜多川派
12鳥文斎派
13葛飾派(or 北斎派)
14菊川派
15歌川派・豊国系
16歌川派・豊広系
17歌川派・国貞系
18歌川派・国芳系
19流光斎派
20芦国派
他に、川又派、文調系など。
19) 図版1(オブジェクト)
作品の図版をコピー入力するスペース。現在、図版は固定されてしまい、拡大縮小は不可能。
将来的には画像データを管理するサーバとのリンクは可能かもしれません。
20) 判型(テキスト)
項目名としては版画を中心にしているので、判型としたが、肉筆画や版本を含めることから、
別な統一した項目名を設ける必要があります。項目順としては形態・判型となりますが、入力の
フィールド定義の項目は形態と判型を分けて、データ出力を考慮して「判型」を先にレイアウト
しています。この項目では判型値一覧を作成していませんが、作成するならば、以下のようなものが
考えられます。
この場合、版画、肉筆画、版本の主要なデータ項目を全て設定する必要があるかもしれません。
[ 判型値一覧表 ]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けます。
大判
横大判
間判
横間判
中判
横中判
細判
横細判
柱絵判
大々判
長大判
大短冊判
中短冊判
間短冊判
色紙判
大倍判
長判
間倍判
四ツ切判
九ツ切判
......
絹本着色(または著色)
紙本着色(または著色)
紙本金地着色(または著色)
......
黄表紙
洒落本
読本
合巻
絵本
絵入狂歌本
俳諧本
絵手本
黒本
赤本
青本
*版画の判型や肉筆画の用語の統一の必要、また、版本は判型というより種別の項目とすべき
データとなりますが、目録一覧などのデータ出力を考慮すると、この判型の項目に入力する必要が
あり、版画や肉筆画と同様に種別内容や表記の統一性が必要と考えられます。
また、ソートを可能にするためには各項目の前に半角数字を入力して一覧を作成する必要があります。
21) 形態(テキスト)
浮世絵作品の形態についてのデータを入力する項目。形態という表記は適切ではないかもしれません。
この項目でも形態値一覧を作成していませんが、作成するとすれば、以下のようなものが考えられます。
[ 形態値一覧表 ]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けます。
墨摺絵
墨摺絵筆彩
丹絵
紅絵
紅摺絵
紅摺絵3丁掛
錦絵
錦絵3枚続
錦絵2枚続
錦絵竪2枚続
錦絵5枚続
錦絵6枚続
錦絵2丁掛
......
六曲屏風一双(または、6曲屏風1双)
六曲屏風一隻(または、6曲屏風1隻)
掛軸一幅
掛軸三幅対
画帖
絵巻
*形態の項目については項目設定内容や用語の統一の必要があります。
また、版本については本の大きさ、冊数や丁数など不確定な要素があるので設けていませんが、
設定が可能であれば設ける必要があります。
この場合、判型項目と同様、データ出力を考慮して、項目の前にソート可能な半角数字は入れていません。
22) 寸法(テキスト)
現在作成したデータベースでは、サイズは1項目(タイプ:テキスト)のみの設定としています。
場合によっては竪、横の2項目(タイプ:数字)の設定を考えるべきかもしれません。
23) 落款(テキスト)
原文どおりに漢字で入力。ただし、入力に際し、文字のない場合は外字で作成する必要があります。
版画・版本の場合の文章表記では、「署名」を用いています。
24) 印章(テキスト)
原文通りの印文を「」で入力。
*印文、印形の入力の際の表記の方法を統一する必要があります。
例)「菱河」朱文瓢箪印 or 朱文瓢箪印「菱河」 or 「菱河」(朱文瓢箪印)
*また、版画に用いられる象形印の表記や入力方法の統一の検討の必要あります。
例)(年玉印) or (年之丸印)
「 」か( )での表記の統一。
この項目も入力の際、文字のない場合は外字で作成する必要があります。
25) 書体番号(数字)
落款の書体変化をソートするための項目。半角数字での入力。
26)印章番号(数字)
印章の区別・変化をソートするための項目。半角数字での入力。
27) 画像番号(テキスト)
データベースにコピー入力した画像データを保管するための管理番号。
絵師名を英語、日本語で入力するか検討する必要があります。
画像データを管理するサーバとのリンクを将来的には可能になれば、と思います。
28) 版元名(テキスト)
版画に記されている、版元名を入力。
*入力方法に表記の統一の必要がある。鶴喜、喜鶴堂、鶴屋喜右衛門など。使用中のデータベースは
フル表記を用い。略称、別称は用いていません。
例)鶴屋喜右衛門
また、版元印がありながら版元名の不明な場合での表記の仕方や、版元印のない場合など、
ただ「未詳」とするか、「版元未詳」「版元印なし」「版元名なし」にするのか、または、版元未詳として
続いて版元印についての内容を表記するか、統一する必要があるかもしれません。ただ、現在は統一していません。
例)版元未詳(入山形に「八」印)
29) 制作年(テキスト)
作品の制作年代の元号、および時期の入力項目。ただし、「元祿1年」、「明和2~5年」、「天明~寛政」、
「寛政後期」というように、項目は1項目のみの設定で処理しています。
ソートは32)、33)の西暦1、西暦2の項目で行うようにしています。
*将来的に、元号の項目は2つ以上必要か検討が必要であります。また、時期の表記(初期、前期、中期、後期、
末期など)の入力についての統一する必要があります。
30)改印(テキスト)
画中に刻された改印を入力する項目。ほぼ画中の原文に即して入力。
*名主印の場合の入力に関して、今後、統一の必要があります。ただ単に原刻文通りに表記するのか、わかりやすく
入力するのか。
例)渡辺、衣笠(名主双印)or 「渡邊」「衣笠」
31) 西暦1(数字)
制作年代のソートを可能にするための上限用の西暦1の項目。半角数字で入力。
フィールド書式のオプションで、入力時に半角数字に指定可能。
32) 西暦2(数字)
制作年代のソートを可能にするための下限用の西暦2の項目。半角数字で入力。
フィールド書式のオプションで、入力時に半角数字に指定可能。
*30)の制作年の項目で、初期、前期、中期、後期、末期などの時期の入力になった場合、
西暦1と2によるソートを可能にするためには、元号の年数によって、時期の設定の統一と西暦年号の
配分の統一が必要となります。この場合、元号の年数を単純に時期設定に即して配分するか、政治・文化など
時代背景を考慮して配分するか、検討する必要があります。
例)寛政期を、5つの時期を設定し、年数によって単純に配分した場合、
寛政初期 1789~1792(寛政1~4年とする)
寛政中期 1793~1796(寛政5~8年とする)
寛政末期 1797~1800(寛政9~12年とする)
寛政前期 1789~1794(寛政1~6年とする)
寛政後期 1795~1800(寛政7~12年とする)
また、前期を初期にあて、後期を末期にあて、初期と末期の配分年数を2~3年の短い時期に設定することも
考えられます。
33) 月日(テキスト)
29)制年代の不確定要素としての「頃」と明治期の御届年月日の月と日を入力する項目。
将来的には、「月」と「日」それぞれを別項目に設定することも検討が必要があるかもしれません。
34)制作年・版元等のデータ(テキスト)
画中に刻されている版元印、明治絵に記されている発行人、印刷・発行年の情報を入力する項目。
基本は原文通りを入力します。
35) 画讃・文面(テキスト)
画中に記されている画讃や文面などを入力する項目。
原文どおりに漢字で入力。ただし、入力に際し、文字のない場合は外字で作成する必要があります。
36) 所蔵者(テキスト)
当該作品を所蔵する機関(可能ならば作品のコレクション名・所蔵番号、および寸法を含む)および個人蔵を
入力する項目。
*所蔵機関名と個人コレクター名の統一が必要となります。
例)ベルギー王立美術館、or ブリュッセル王立美術歴史博物館
37) 図版参照文献(テキスト)
20)の図版の画像データを取った文献、および所蔵機関名を入力する項目。
38) 図版掲載文献(テキスト)
37)で入力した図版参照文献名も含めた、他の図版掲載文献名を入力する項目。
この場合、入力順は出版年代順で、さらに、事典、画集、展覧会図録、売立図録など種別ごとにするか、
検討する必要があります。
*とくに、検索・ソートを考慮して、入力する文献名の統一を図る必要があります。
39) 備考(テキスト)
作品に関する情報や注記、また、歌舞伎絵の演目座・年月日、演題などを入力する項目。
40) 作品解説(テキスト)
展示用、および図録掲載用の作品解説原稿を入力する項目。その他、注記すべき内容を記入します。
41) 分類番号(テキスト 分類番号値一覧あり)
これより、50)季物までの項目は、美人画を分類した方式のため設定したもので、美人画の分類の基本となるものは、
『肉筆浮世絵にみる美人画の様式と流れ』(那須ロイヤル美術館 平成5年7月16日~9月15日)出品目録に掲載
した「美人画の分類と表現形式について」で、この方式をさらにこまかく分類し新しくしたものです。
分類番号の価一覧は以下の通り。右にその内容を記しています。
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設ける。
1-a 日本の古典・伝説・説話・歴史等による美人
1-b 中国、その他の国の古典・伝説・説話・歴史等による美人
2-a 日本の古典・伝説・説話・歴史等による人物の見立表現
2-b 中国、その他の国の古典・伝説・説話・歴史等による人物の見立表現
3-a 吉原の遊女や芸者、吉原風俗のなかで描かれた美人
3-b 吉原以外の江戸の遊郭風俗のなかで描かれた美人
3-c 江戸以外の他の遊郭風俗のなかで描かれた美人
4-a 踊り子・芸者、およびその風俗のなかで描かれた美人(京、大坂、他の地域を含む)
4-b 水茶屋、巫女、その他の女性職業から描かれた美人
4-c 一般の女性風俗のなかで描かれた美人(四季の風物、年中行事も含む)
4-d 一般女性風俗のうち、とくに母と子、または娘と子供の形で描かれた美人
4-e 美人画と判断しがたい一般風俗のなかに女性が描かれているもの
5 浴後、整髪、化粧など、女性特有の姿態美として描かれた美人
6-a 歌舞伎・浄瑠璃・謡曲より描かれた美人
6-b 歌舞伎・浄瑠璃・謡曲よりの見立表現
7 男性(若聚・武士など)と相対で描かれた美人(秘画も含む)
8 その他、いずれの範疇にも判断しがたい美人
*この項目選定において、明確に判別できる作品はよいが、重複、不明瞭の場合もあり、重複する場合はなるべく、
それに相当される番号を入力し、許可を得ます。
42) 分類内容(テキスト)
41)で判断された分類番号に即して、内容を入力する。この場合、作品の番号分類の判断が重要となる。
単一の内容で描かれているときの分類は比較的可能であるが、複数になるときは記入すると同時に、どちらを
優先するか、今後、規範を設ける必要があります。
43) 人数(テキスト)
作品に描かれている人数を記入する項目。
「女性□人男性□人子供□人」と記入し、6人以上は「(群像)」と入力して、群像の文字からのソートを考慮しています。
44) 像形式(テキスト、像形式値一覧あり)
描かれている人物像がどのような形式で表現されているのか入力する
項目。人物像が複数になる場合は、主対象物を中心に判断します。
[像形式値一覧表]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けています。
立像
立像・座像
座像
座像・立像
半身像(大首絵)
臥像
座像・臥像
*今後の検討によっては、ソート可能に半角数字を入力した項目の設定が必要になるかもしれません。
45)背景(テキスト、背景値一覧あり)
作品の背景の有無を分類する項目。
[拝啓値一覧表]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けています。
有
無
46) 自然(テキスト)
作品に描かれた自然物を入力の項目。
例)川、海、雨、雪、風、樹木(花)、月など。
*今後、入力する項目を厳密にする必要があるかもしれない。それによって、より作品のテーマ性への傾向に
ついて、分析が可能となるかもしれません。
47) 設定場所(テキスト、設定場所値一覧あり)
作品が描かれた設定場所を分類する項目。
[設定場所値一覧表]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けています。
屋内
屋外
屋内外
*今後の検討によっては、ソート可能に半角数字を入力した項目の設定が必要になるかもしれません。
48) 季節(テキスト、季節値一覧あり)
作品に描かれた季節を分類する項目。
[季節値一覧表]
□□□(空白項目):設定しないデータのための入力項目を設けています。
新年
春
秋
冬
*今後の検討によっては、ソート可能に半角数字を入力した項目の設定が必要になるかもしれません。
49) 季物(テキスト)
49)で分類された季節の根拠となる季節物について入力する項目。
例)夏=蚊帳、団扇、浴衣、花火など。
将来的には、検索・ソートを可能するために、入力する用語を選定・統一する必要があるかもしれません。
50) テーマ(題材)(テキスト)
42)~50)までの美人画用の項目とは別に、他のジャンルでのテーマ
分類を可能にするための項目。
将来的には、検索・ソートを可能するために、入力する用語を選定・
統一する必要があるかもしれない。
51) モチーフ(内容)(テキスト)
42)~50)までの美人画用の項目とは別に、他のジャンルでのモチーフ分類をも可能にするための項目。
将来的には、検索・ソートを可能するために、入力する用語を選定・統一する必要があるかもしれない。
52)地名(テキスト)
53)図版2(オブジェクト)
54) artist(テキスト)
日本語の7) 絵師名にあたる英文用項目。浮世絵師の日本語名をそのまま英文化して入力。
例)喜多川歌麿 → Kitagawa Utamaro
55) title(テキスト)
日本語の11) 作品名にあたる英文用項目。作品名の日本語を英文化(英語題名)して入力し、そのあとに
ローマ字表記で日本語題名を併記入力。
56) technical(テキスト)
日本語の21) 判型の項目にあたる英文用項目。
57) type(テキスト)
日本語の22) 形態の項目の英文用項目。
58) signature(テキスト)
日本語の24) 落款の項目の英文用項目。
59) artist seal(テキスト)
日本語の25) 印章にあたる英文用項目。
60) publisher(テキスト)
日本語の29) 版元名にあたる英文用項目。
61) date(テキスト)
日本語の30) 制作年、および32) 西暦1、33)西暦2の項目を含む英文用項目。ソートする関係から、
英文用も2項目に設定する必要があるかもしれません。
62) censer's seal(テキスト)
日本語の31) 改印にあたる英文用項目。
63)元号(英文)
64)所蔵者(英文)
65)図版掲載文献(英文)
これらのフィールド(項目)をもとに、以下のレイアウトを設けて使用しています。
1)基本入力シート
全ての項目の入力できる基本レイアウト。
2)画像・データ一覧
データを収集する際、題名のない作品を探したり、摺違いを比較できるようにレイアウトしたものです。
3)データベース用
新浮世絵研究データベースへのデータを移行するためにレイアウトしたものです。
4)作品目録用
作品目録を作成するためのレイアウトです。
1)基本入力シート
2)画像・データ一覧
3)データベース用
4)作品目録用
(2021年9月1日 鈴木浩平)